浅煎りの珈琲、と言われて、パッと想像がつく方ってあまり多くないんじゃないかと思います。想像ができる方にとってはこのタイトルも結構納得感があるんじゃないでしょうか。
かくいうわたしも、趣味としての珈琲を始めたのは3ヶ月前くらいのことです。でもまぁ、なんとなくわかってきました。珈琲を美味しく淹れることはつまり、抽出の良い塩梅を探ることなんだと思います。
美味しくない珈琲って飲んだことありますか?これは結構面白い話だと思うんですが、わたしは珈琲を趣味として始めてから、初めて、美味しくない珈琲を飲みました。薄いとかではなく、美味しくない。そして経験上(歴3ヶ月)、美味しくなくなりがちな豆というのが浅煎りの豆です。
我々が普段飲んでいる珈琲は基本的に深煎りの豆になります。いわゆる珈琲の味ってのは深煎りのことですね。
対して浅煎りは一般的な深煎りに比べてフルーティーな味わいです。このフルーティーって言葉、風味を形容するのに無理やり使っているだけ、みたいに思うじゃないですか。実際はそんな、ねぇ?みたいな。違うんです。これ、本当にフルーツ味がするんです。
でも、美味しいフルーツ味が出るのは上手に淹れられたときだけ。油断すると本当に美味しくない液体になります。
例えば、酸っぱい珈琲。嫌な酸味が口の中にずっと残り続けて、歯磨きをしたくなるような味(そもそも珈琲を飲んだ後は歯磨きをすべきですが)。もう一つは、タイヤみたいな珈琲。ごめんなさい、いい言葉が見つからない、でも本当にそういう味なんです。タイヤの味も詳しくないんですけど。
かなりピーキーな感じがあります。一歩間違えば美味しくなくなるうえ、その美味しくなくなり方が激しい。
では、それら美味しくない珈琲はどうやって生まれるのか。同じ珈琲である以上何か指標を共有しており、上記の珈琲らはその程度に関しての言い換えができるのではないか。
それが抽出度合いだと思っています。どれくらい出せているか。みたいな。経験上、出しすぎるとタイヤみたいになって、出さなすぎると酸っぱくなります。
では、我々はこの抽出度合いをどのようにして操作できるのでしょうか。
これは本当にいろいろあるらしいです。万象がそれに影響を与えていて、真の珈琲マニアたちは世界そのものと戦っているように思えます。でもわたしは違います。歴3ヶ月です。そんな人間が真っ先に操作できて、かつ結果の大部分を占める要素、なんでしょうか?挽目(ひきめ)です。
豆をどのくらい細かく挽くかを挽目といいます。これを調整することが抽出度合いをコントロールする近道です。他にも湯温だったり抽出方法だったり色々あるんですが、まずはそれらを固定して、挽目だけで勝負しましょう。
大丈夫です。なんせこの勝負ですらなかなか勝たせてくれないんですから、特に浅煎りでは。
本当に難しい。タイヤ味になることはもうなくなりましたが、酸味の調整が本当に難しい。結局どこまで許容するかみたいなところもあって、正解がわからなくなってきています。美味しい浅煎りのイメージがいまいちつかめていないのも大きい。なんだかとても面倒な趣味に手を出してしまった気がしています。
しかし、美味しい浅煎りを淹れるためには戦い続けなくちゃいけません。毎日美味しくない珈琲を淹れて、真の挽目を研究していこうと思います。
文字通り、苦汁をなめながら……。